【理由はなくてもイタリアが好き♡】
ご訪問ありがとうございます、イタリア旅ライターのEtsukoです。
ここでは、なかなか行けない穴場なイタリア観光スポットをご紹介しています。
旅のご参考になりましたら嬉しいです。
記事内の文章と写真の転用を禁じます。
スーザ渓谷の絶壁の修道院、サクラ・ディ・サン・ミケーレ
絶壁に建てられた「サクラ・ディ・サン・ミケーレ」
ピエモンテ州のシンボル、サクラ・ディ・サン・ミケーレは、標高962メートルのピルキリアーノ(Pirchiriano)の山頂に、元々はベネディクト会の修道院として建てられました。
トリノ市内から車で約30分、断崖絶壁の上にあるそれが最初はわからず。
近付くにつれて、次第に建物が見え、
目的地の「サクラ・ディ・サンミケーレ Sacra di San Michele」であることがわかったのでした。
まるで陸の孤島。
車時代の現代でさえ、
絶壁にそびえる修道院の建物まで行くことはできません。
駐車場へ車を止め、そこからしばし歩いて修道院のある場所へ。
春(初夏)の訪問で、駐車場付近では半袖で「暑い」と感じても、
念のため長袖の羽織るものを持たれることをおすすめします。
修道院の内部では涼しく感じ、天気によっては寒いと感じる日もあるでしょう。
上り坂を登り、修道院の出入り口の門をくぐると。
さらに急な階段を登ってやっと到着。
日本でいうところの仙人が住んでいるような孤高の絶壁のイメージ。
誰もが、そう簡単にはたどり着けない場所。
建物内へは「死者の階段」と呼ばれる急な階段を上ります。
ベネディクト会修道院の総本山だった
歴史深いこの教会は、983年から987年にベネディクト会修道院の教会として建てられました。
12世紀には総本山として頂点を極めてヨーロッパの140の修道院を傘下に、当時はサクラ・ディ・サン・ミケーレに100人以上の修道僧がいました。
地理的にもエルサレムへの巡礼路上にあり、多くの巡礼者が巡礼地として訪れるようになりました。しかし、その後経済事情が悪化し1622年に修道院は閉院し、わずか3人の修道士が住むだけとなり廃墟のようになってしまったのです。
時が経ち、1836年に修道院は聖職者のアントニオ・ロスニーニ(Antonio Rosmini)に譲られて以降、ロスミニアンの修道院として再開しました。
1994年には「ピエモンテ州のシンボル」として認定され、観光に訪れる人々が後を絶ちません。
フランス「モン・サン・ミッシェル」と同一人物が建築担当
絶壁の山頂とアルプス山脈を背にしたこの位置に、聖堂の建築をしたのは、10世紀のイタリア人で建築家のベネディクト修道士グリエルモ・ダ・ヴォルピアーノ(Guglielmo da Volpiano)でした。
彼はイタリアとフランスで様々な聖堂建築を行っていました。
日本ではモン・サン・ミッシェルの方がよく知られているので、ご存じの方も多いでしょう。
モン・サン・ミッシェルも、実は、グリエルモの建築によるもので、
サクラ・ディ・サン・ミケーレの後に、モン・サン・ミッシェルを手がけました。
両方訪れた方は、内部も外観もよく似た印象を持つでしょう。
教会内にはフレスコ画が飾られ、16世紀に描かれたものと言われています。
サクラ・ディ・サン・ミケーレは、大天使ミカエル信仰の場
修道院の名前であるサクラ・ディ・サン・ミケーレ(Sacra di san Michele)の
サクラ(Sacura)の意味は「神聖」、
サン(San)は「聖なる」
そしてMicheleは、イタリア語ではミケーレですが、
San Micheleは聖なるミケーレで、「大天使ミカエル」を意味しています。
フランスのモン・サン・ミシェル(Mont Saint-Michel)もしかり。
どちらも大天使ミカエルの信仰の場で、
イタリア国内にはもう一つプーリア州に「サン・ミケーレ」教会があります。
いずれも地図上で一直線上に教会が並んでおり、
そのラインは「Linea sacra di San Michele」と呼ばれています。
ライン上には7つの教会が興味深いことに、一直線に結ばれています。
イタリア、サヴォイア王家が眠る修道院
1836年に修道院として再開した際には、イタリアのサヴォイア王家がロスミニアン修道院として復活させたのです。そしてサヴォイア家の24体の遺体を、それまで安置されていたトリノ大聖堂より、この修道院へ運んできました。
スーザ渓谷を眺めて。ベッラルダの言い伝え。
修道院建物の外は10世紀から12世紀の建物の外壁が残っています。
建物自体、何度も増改築を繰り返しています。
今となっては、建物の外壁を残すのみとなっているものが多いですが、そのうちの一つにベッラルダの塔(Torre della Bell’Alda)があります。
Bella Aldaは、イタリア語で美しいアルダという意味。その名の通り、アルダという若く美しい娘がいました。アルダは兵士に追いかけられ、逃げるために塔から身を投げました。
その時は、天使に助けられ無傷で難を逃れました。しかしその後、彼女がお金のために再び飛び降りたところ、彼女の体は落ちて打ち砕かれ亡くなったのでした。
修道院からはスーザ渓谷が見下ろせて、春先には山奥の雪がまだ見えることも。
フランスへと続く山々は、このピエモンテ州が育んできた長い歴史を見るかのよう。
ウンベルト・エコーの小説の舞台
サクラ・ディ・サン・ミケーレは、映画の舞台にもなっています。
イタリアの小説家で文芸評論家のウンベルト・エコーの作品「薔薇の名前」(Il Nome della Rosa )の舞台です。
1980年に発表された小説で、14世紀の修道院を舞台にした連続殺人の謎解きミステリー。
お時間あれば、小説を読まれてから訪れると現地ではなお感慨深いことでしょう。
サクラ・ディ・サン・ミケーレ(Sacra di San Michele)基本情報
Sacra di San Michele
Via alla Sacra, 14,10057 S. Ambrogio (TO)
Tel. +39.011.93.91.30
Fax. +39.011.93.97.06
E-mail: info@sacradisanmichele.com
●見学時間
夏時間
月-金 9:30-12:30,14:00-17:00
土・日 9:30-17:00
●冬時間
月-金 9:30-12:30,14:00-18:00
土・日 9:30-18:00
*パスクア(復活祭)、5月1日、7月2日は、9:30-19:00
●入場料 6歳まで無料、大人8ユーロ
アクセス、入場料、見学時間等の詳細は、念のため公式HPでご確認下さい。
https://www.sacradisanmichele.com/it/
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